保全活動

政府による保全活動

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IUCNによると、過去30年間でマレーグマの個体数は30％減少しています（IUCN 2007）。

東南アジアでは、野生動物保護法によりマレーグマの殺害は固く禁じられています。しかし、この法の強制力は弱く、国によって保全の方法や優先順位は変わるため、全ての加盟国はマレーグマに対する具体的な保全案を未だ提案していません。

マレーグマはCITES附属書 I に1979年から掲載されています（CITESは野生動物や植物の国際的な取引が、野生の個体数に影響しないことを目的とした団体）。また、1997年サバ野生動物保全法により、サバ州ではマレーグマを殺害または狩ることを禁じられています。さらに、2007年には、マレーグマはIUCNレッドリストの絶滅危惧II類に分類されました。

保全案

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マレーグマは世界で最も知られていないクマです。シロクマやヒグマ、アメリカクロクマ、パンダなどはドキュメンタリー番組、映画、広告、記事、SNSを通じて広く知られています。南アメリカのメガネグマ、インドのナマケグマ、日本を含むアジアに生息するツキノワグマは一部の人に知られています。しかし、悲しいことですが、マレーグマを知る人はごくわずかなのが現状です。

理由として、マレーグマの研究と基礎的な生態情報が非常に不足していることが挙げられます。現在、野生のマレーグマを捕獲し追跡を行った生態学的な研究は世界で3件しか行われていません。その一つはBSBCCの設立者でCEOのウォン博士によるものです。詳しくは当ホームページの「研究」をご覧ください。


森林減少、密猟、違法取引を削減する

森林減少と密猟の対策を行うことは、マレーグマの保全に繋がります。マレーシアとインドネシアにとって最も効果的な方法は、残っている森林面積を開発から守ること、非持続的な伐採を廃止すること、そして森林火災を防ぐことです。開発を阻止するために、管理された保護区域を新しく制定する必要があります。マレーグマの部位（身体の部位、特に胆嚢は漢方薬のため高値で取引されています）の取引を制限することは、東南アジア本土に生息する個体の保全に大きく貢献します。

森林と野生動物の長期的な保全は、更なる努力を必要としています。東南アジアの多くの地域では、取り返しのつかないほど熱帯雨林が急激に減少しています。反対に、国の経済と政治が安定しているおかげで、マレーシアでは、東南アジアの熱帯雨林と野生動物が多く残る最後の地域を保護するチャンスがあります。

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マレーグマ復帰区域

現在の資源では、全ての保護区域をパトロール/監視するのは大変難しい状況です。

この問題の解決法として、保護区域内に、小規模なクマ復帰区域（100㎢-200㎢）をいくつか設置することができます。こうすることで、レンジャーのパトロールを復帰区域に限定させることができます。復帰区域は、クスノキ科やブナ科の木など、クマの餌資源が豊富な場所に設置すべきです。これらの区域は、生態学的にも重要な意味をもち、パトロールによりクマと他の野生動物の個体数を復帰させる現実的な手法です。

近年、専門家が広範囲において現在のマレーグマの分布を調査し、マレーグマの長期的な保全に重要と思われる区域（BCU）が定められました。BCU内の密猟の取り締まりは最優先となります。また、カメラトラップとラインセンサスを用いてBCU内を観察することにより、クマの個体数の動向や推定を行うことができます。これらの結果から、どういった環境がマレーグマの保全を促進するのかを知ることができ、保全策を評価する指標となります。さらに、マレーグマ対象とした集中的な研究はほぼ行われていないため、さらなる研究、特に生息地内での研究は保全大きく貢献します。
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地元の学生を生物学者や保護活動家として育成する

地元の学生を保護活動家や生物学者として育成し、自然保護の重要性について市民や政府を教育し、理解を深めるために動植物を研究する著名な生物学者が必要です。BSBCCの設立者とCEOであるウォン博士は「動物専門家」や野生生物学者として長年訓練してきました。彼は自身の知識を活用して、熱帯雨林とその野生動物を保全することを目標としています。